北風工房 Mariya ■■■更新:2013/03/21■■■ 北風工房 Mariya
■72■マイユニットの電気系修理
愛用のモーターパラグライダーのエンジンユニットのエンジンの調子が悪なってきました。
8月に大会があるのでそれが終わったら直そうと思っていました。
大会は不調ながら何とか終えました。
大会二日目、大会競技説明のデモ飛行をする事になり、エンジンはプロペラを手で回して始動させました。
キャノピーを立ち上げてテイクオフ!でもエンジンが吹きあがってこずスタックしてしまいました。
少し前にキャブのニードル調整をした頃から少しづつ調子が悪くなって来ました。
症状は下記の2点でした。
@エンジンがかからない。(スターターで)
Aエンジンの回転が高くなったり低くなったりする。
キャブレターも購入してから一度も清掃していないのでキャブ内部が汚れているかなと思っていました。
購入してから5年以上は経過していると思います。
結局は、
@のエンジンがスターターでかからない問題は、プロペラを手で回してかければかかる事から、
セルモーターの力不足(以前にもありました)
■46■マイユニットの電源修理 で修理
今回もセルの電源系統、セル駆動系、イグニッション系のプラグ接続部の緩みを修正。
キャブレターは分解して確認しましたが、きれいで特に問題はありませんでした。
Aのエンジンの回転が高くなったり低くなったりする問題は、点火プラグソケットとプラグとの接触、プラグキャップとプラグキャップから出るコードとの接触を調べてみました。
プラグキャップとプラグコードの具合が少し悪いようでした。
プラグコードを引っ張ってみたらわりと簡単に抜けてしまいました。
プラグコードの接続部を少し切ってしっかり接続しなおしました。
この接続はコードにプラグキャップをねじ込むようになっています。
それからプラグケーブルの取り回しを変更。
プラグコートがフレームについている所が2か所あり、プラグコードがフレームのパイプに近づかないようコードを浮かせました。
上記整備の後、テストしてみました。
エンジンはスターターで気持ち良くかかるようになりました。
エンジンの回転むらもなくなりスムーズに回転するようになりました。
その後ニードル調整を再度行って実際にフライトテストを行いました。
完全に調子良くなりました。
でもまた調子が悪くなりました。
調子良くフライトを終えた翌日。
また、エンジンがかかりません。
車のバッテリーから電源をとっても回りません。
今度はリレーを通りセルモーターに行く電源系統の線を太くする事にしました。
以下、回路図
下は現状の配線です。
以下、@〜Dまでを交換する事にしました。
@バッテリーから出た部分
Aコネクターからコネクター
上の写真とほぼ同じところです。
Bリレー部分へ行くところ
Cリレー部分からセルモターに行くところ。
Dセルモター端子部分
新しく配線を一回り太い線に交換しました。
交換した部分です。
セルモーターから出る部分。
リレー部分からバッテリまで。
リレー部分
バッテリー接続部分。
交換した配線。上が従来の線。下が新しくした線。
ついでにバッテリーも新しく購入しました。
新しいバッテリーに交換しましたが、エンジンがかかりません。
車から電源をとると調子良くかかりました。
バッテリーの充電が足りないのかと思って充電もしました。
一度エンジンをかけた後はバッテリーでもなんとかかかりました。
いざ、フライトと思ってエンジンをかけたらまたかかりません。
今度は車から電源を取ってかけてみました。
セルはまわるのですが、今度はエンジンがかかりません。
なんとも、かからないので、プラグを古い物と交換してみました。
そしたら、今度はかかりました。
(イリジュームのプラグから普通のプラグへ。)
でも回転が不安定です。
結局プラグコード(プラグキャップ付き)と新しいプラグに交換しました。
下記のプラグコードです。
新しいプラグと古いプラグ。
上が新しいプラグです。
プラグ点火部(右が新しいプラグ、左が古いプラグ)
上とほぼ同じ写真です。
角度を変えて撮りました。
交換したプラグキャップとプラグケーブルです。
古いプラグとケーブルです。
プラグケーブルの接続部分です。
交換したパワーケーブルです。
いよいよバッテリーも充電し、エンジンをかけてみました。
うー、かかりません。セルが回りきりません。
車から電源をとって回してみました。
一発で快適に回りました。
・・・・・そこで行き詰まりの状態になってしまいました。
いろいろ考えるうちにセルモーターが悪いのでは?
という事でセルモーターの修理にかかりました。
セルモーターを外します。
セルモーターです。
反対から見たセルモーター。
取り外したセルモーターです。
反対側から。
セルモーターをばらした所です。
スラッジというか鉄の粉でかなり汚れていました。
ブラシの部分がだめなら交換するつもりでいましたが、ブラシはそんなに減っていませんでした。
セルモーターのケース側もかなり汚れていました。
汚れ部分を丁寧にきれいにし、最後に電極部分を#800番のペーパーで丁寧に磨いて、
再度組み立て直しました。
最後に取り付ける前にバッテリーにつないで回してみました。
とてもスムーズに回るのを確認して、再度エンジンに取付ました。
その後、エンジンを回してみましたが、不調になる前と同じように回るようになりました。
やっと直ったと思いましたが、いやいや!まだ試練が!!
バラシタついでにチャンバー、マフラーもみてみました。
見てびっくり。これも修理が必要です。
修理の状況は ここ で!
セルモーターは順調に回るようになりましたが、どうもエンジンのかかりが悪いのです。
そこでキャブレターのパーツを交換する事にしました。
キャブをばらして上記パーツを交換している時に、変な所を見つけました。
下のダイヤフラムの部分です。
左が新しいダイヤフラム、右が取り外したダイヤフラムです。
取り外した物にはメタリングレバーにひっかける部分の引っかけ部がありません。
折れたのか、それとも最初からなかったのかが不明です。
ばらしたキャブの中を念入りに調べましたが折れたと思われる部分はありませんでした。
とりあえず部品を交換して組み上げました。
交換後エンジンを回してみましたがまだ、今一歩かかりが悪いのです。
今度はエンジンをばらしてみました。
ピストンの状況
ヘッドの部分です。だいぶ汚れています。
ピストンとピストンリングです。
ピストンリングの溝
ピストンリング
ヘッド部
同じくヘッド部
きれいに清掃しました。
ピストンとリング
ピストンリング溝
ヘッド部
リードバルブ部も点検
裏側から
これで全部終了しました。
最終的に組み上げてテストしました。
エンジンもかかるようになりました。
ユニットも購入してから5〜6年程度経ちますかね。
うまく動いていたのでここまではやらなかったのですが、
今回は完全なオーバーホールになりました。
最後にエンジンをばらした写真をとりました。
後々の参考のために載せておく事にしました。
マイユニットの写真も載せました。
マイユニット (トーラス:イージー100)
以下、参考写真
2012/11/14
修理の結果、まだエンジンスタートがあまり調子がよくなく、今回思い切ってスターター(セルモター)を交換する事にしました。
新しいセルモーター
反対側から
セルモーターの取付部分
セルモータも交換しましたが、エンジンがかかりません。
エンジンを回しきりません。
今度はエンジンを分解してオーバーホールです。
ベアリング、ベルト類を交換してみることにしました。
まずはエンジンの分解から。
フライホイールを外します。中ならコイルが出てきます。
コイルを取り外す前に位置を確認。
位置を合わせるケガキの印をつけなくてはと思っていましたが、付いていました。
念の為、もう一箇所印をつけました。
コイルを外したところです。
クランクケースのボルトを緩めてクランク分解します。
こんな感じです。
クランクシャフトとピストン。
クランクケースのベアリングを外します。
外したベアリングとオイルシールです。
外したベアリングとオイルシールです。
今回はこのベアリングが悪かったようです。
回転するとコツコツするところがありました。
ベアリングをはめる前にストーブの前でクランクケースを暖めます。
石油ファンヒーターの噴出し口で暖めましたが、あまりうまく行かず、キャンプ用のコンロの上で温めました。
クランクシャフトを取り付けます。
ベアリングにはグリスを塗っておきました。
クランクケース液状ガスケットを塗りクランクケースを組立ました。
クランクケースを組立てたところです。
反対側です。
コイルとフライホイールを取り付けます。
コイルは印をつけた位置に取り付けます。
コイルを取付けたところです。
次にフライホイールを取り付けます。
プロペラシャフト側のプーリーを取り付けます。
キー溝です。
半月キーをつけます。(フライホイール側も同じです。)
ちょっとグリスをつけて固定します。
プーリーを取り付けます。
次にプロペラシャフト側のベアリングも交換します。
こんな感じです。プロペラハブにシャフトを取付けたところです。
シリンダー部のガスケットです。
シリンダーを取り付けます。
シリンダーヘッドも取り付けます。
セルモーターを取り付けます。
こんな感じです。
プロペラシャフトを取り付けます。
シャフトを取り付けボルトで固定します。
シャフトの反対側の固定ネジを取り付けます。
ベルトを取り付けプロペラシャフト真ん中のボルトでベルトの張りを調整します。
調整がおわったら、下の写真のボルトで固定します。
プーリー、ベルトカバーを取り付けます。
取付けたところです。
フライホイールカバーを取り付けます。
こんな感じです。
次にリードバルブを取り付けます。
リードバルブはこんな感じです。
リードバルブを取り付け押さえ枠を取り付けます。
押さえ枠にキャブレターを取り付けます。
これで修理は完了です。
電気系統のチェックから始まって長丁場になりました。
ドキドキしながらエンジンを回してみました。
エンジンはうまく掛かるようになりました。
先日、フライトテストを行いました。
離陸時にエンジンが吹かずパワー不足で離陸できませんでした。
今度はエンジンの調整テストです。
調整テストの結果は近々報告予定です。
掲載:2011/08/24