北風工房 Mariya ■■■更新:2020/03/24■■■ 北風工房 Mariya
■90■青面金剛童子の修復
上の写真は青面金剛童子。
今回この青面金剛童子2躯を修復することになり北風工房にやってきました。
下の写真は修復前の2躯です。
青面金剛童子は厨子に入りさらに倹飩箱(けんどんばこ)に収められています。
厨子も倹飩箱もがたがたになっていて修復が必要です。
倹飩箱はうどんやそばの出前の時に使われる箱のこと。(下:イメージ写真)
この青面金剛童子は今では少なくなった庚申のお祭りの時に使用されるものです。
庚申のお祭りは庚申講というご近所さんなどが集まって講をつくり行っています。
庚申の日の夜(60日に一回来る)に夜寝ずに行われていました。
当番で宿(やど:庚申で集まる家)を決め、順番に回って行きます。
この青面金剛童子は祭壇に祭られみんなで拝みます。
青面金剛童子は倹飩箱に入れられて運ばれます。
普通は青面金剛童子の掛け軸などをかけて拝みます。
一般的には掛け軸がおおいのですが仏像はなかなかめずらしいと思います。
これはとれてしまった手や足、岩座の岩、弓などの持物などです。
台座の上に岩座(いわくら)がのりその上に青面金剛童子がのります。
台座も割れています。
台座の接着修理
台座の上面に銘がでてきました。
京都大仏師
高橋源兵衛
宝暦四年
戌九月日 (甲戌1754年)
と書かれているようです。
修復作業完了
青面金剛童子 其の1 (下記各部写真)
左手上(法輪)
右手下(矢)
上記がなくなっていると思われます。
今回なくなっている部位はあえて修復しませんでした。
其の2の写真も近く掲載予定です。
修復の状況をまた更新していく予定です。
とりあえず今日はここまで。
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掲載:2020/01/31